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Q&Aで綴るレジデント・ノート―専門医がわかりやすく解説―
No.14 大腸癌に罹ったあと,またがんに罹る可能性はありますか?
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.2 No.4 88-90,
2010
著者名
石黒 めぐみ
/
杉原 健一
記事体裁
連載
/
Q&Aシリーズ
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全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
一般外科
/
消化器内科
/
消化器外科
媒体
大腸癌FRONTIER
『Answer』 大腸癌手術後に再び大腸癌に罹患すること(異時性多発癌)は約2%にみられ, 大腸癌罹患歴は異時性多発癌の危険因子であるため, 長期の大腸スクリーニングが必要です. 大腸癌手術後に他臓器のがんに罹患する(異時性重複がん)頻度は2~5%であり, 重複がん発生の可能性を念頭に置くことと, がん検診受診の必要性を患者に啓蒙することが大切です. 『大腸癌術後の異時牲多重がんを考える』 大腸癌治癒切除後の5年生存率は70~80%であり, 他の消化器がんに比べて手術後に長期生存する患者が多くみられます. また, 大腸癌では再発後も再発巣の切除により治癒を得られる可能性があることから, 定期的な画像検査を含む術後サーベイランスが「大腸癌治療ガイドライン」に準じて標準的に行われています. そのサーベイランス中に新たな大腸癌(大腸多発癌)や他臓器のがん(重複がん)が発見されることがときどきあります. 「大腸癌取扱い規約」1)のなかに, 多発癌, 重複がんの定義が明記されています(表1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。