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大腸癌の分子生物学

癌の転移形成において,宿主側細胞も関与するのでしょうか?

三森功士田中文明石井秀始森正樹

大腸癌FRONTIER Vol.1 No.4, 87-92, 2008

「Summary」 癌の転移・再発機構を解明するために, 微量癌細胞の検出など癌細胞の検出を目標に据えた多施設共同研究がなされてきた. 結果, 癌種によって異なるが, 転移は単に原発巣から遊離した癌細胞が存在するのみで規定されないことが明らかになった. すなわち, 癌細胞が特別な能力を有するか, あるいは癌細胞と交互作用を有する宿主側因子との間の関係を中心とした新たな「転移巣社会」が重要であると推察されるようになってきた. 一方, 転移を成立させうる癌細胞として癌幹細胞が注目されるが, 一般に造血系幹細胞は宿主側ニッチ(骨芽細胞性ニッチ)と複合体を形成することにより, 細胞周期を静止期に保つことによって造血系幹細胞自身にふりかかるさまざまなストレスから自身を守ることが知られる. したがって, 癌幹細胞も何らかのニッチとなる宿主側細胞とのコンビネーションを形成することにより, 転移に寄与するのではないかと考えられるようになってきた. 本稿では, 造血系幹細胞または巨核球の分化・成熟を制御する骨芽細胞ニッチ, 血管性ニッチ機構について理解した上で, 今日までに報告された, 癌細胞のニッチとなり転移を幇助する宿主側因子(細胞群)について述べる. また, 乳癌における宿主側因子である間葉系幹細胞の転移への関与に関する報告についても述べる.

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