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大腸癌遠隔転移の治療方針
【治療】腹膜播種の治療方針
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.1 No.4 58-62,
2009
著者名
石原 聡一郎
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青柳賀子
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端山軍
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山田英樹
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飯沼久恵
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野澤 慶次郎
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松田 圭二
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渡邉 聡明
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
消化器
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癌
診療科目
一般外科
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消化器内科
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腫瘍内科
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消化器外科
媒体
大腸癌FRONTIER
「Summary」 大腸癌の腹膜播種は予後不良な状態とされ, 対症療法を中心に行うことが多かった. しかし, 近年抗がん剤の進歩や積極的な手術治療による治療成績の向上も報告されてきている. また, 新しい手法により腹膜播種の前駆状態と考えられる腹腔内遊離癌細胞を検出し予後の改善に役立てようとする試みもなされてきている. 本稿では, 大腸癌腹膜播種に対する最近の治療法について, 筆者らの経験を交えながら概説した. 「はじめに」 これまで腹膜播種が認められる大腸癌症例は, 積極的な治療は困難であり, 長期予後が望めず姑息的な治療や緩和医療が中心となると考えられてきた. しかし, 近年大腸癌に対する抗がん剤治療は急速に進歩しており, また積極的切除と温熱化学療法を併用した集学的治療による治療成績の向上も報告されている. 本稿では, 大腸癌腹膜播種に対する最近の治療法について概説する. 「大腸癌腹膜播種の頻度」 大腸癌初回手術例における同時性腹膜播種の頻度は, 4.3~7.3%と報告されている1)-3).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。