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大腸SM癌の治療
【特別寄稿】大腸SM癌のピット診断とその課題
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.1 No.2 21-26,
2008
著者名
工藤進英
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細谷寿久
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池原伸直
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蟹江浩
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樫田博史
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
消化器
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癌
診療科目
一般外科
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消化器内科
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消化器外科
媒体
大腸癌FRONTIER
「はじめに」大腸SM癌の治療適応については, これまでの症例の蓄積およびその詳細な臨床病理学的な検討により, 一定のコンセンサスが得られている. SM微小浸潤癌では転移の可能性はないとされ, 内視鏡的切除の適応である. それに対しSM深部浸潤癌ではリンパ節転移の可能性があるため, リンパ節郭清を伴う外科的切除の適応となる. それゆえ, 適切な治療方針を決定するためには, より正確な術前診断が必要となる. 当施設では大腸病変においては, 拡大内視鏡観察を行い, pit pattern診断を中心とした質的診断により治療方針を決定している. pit patternについては, 大腸粘膜において腺窩(crypt, gland)の開口部をpit(腺口)と呼び, 粘膜表面からみたpitの形態や配列をpit pattern(腺口構造)とする. 1993年にわれわれがオリンパス社と共同で開発したズーム式拡大電子スコープCF-200Zの登場により, 大腸腫瘍に対して100倍の拡大像が瞬時に得られるようになった.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。