全文記事
大腸癌治療ガイドラインをめぐって
緩和医療
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.1 No.1 56-60,
2008
著者名
首藤真理子
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
麻酔科
/
精神科
/
消化器外科
媒体
大腸癌FRONTIER
「Summary」緩和ケアはがん末期だけに限定されたものではなく, がんと診断されたときから開始されるべき全人的ケアである. がん性疼痛はがん患者が訴える症状の中で最も頻度が高く, 約80%に認められる. WHO方式がん疼痛治療法を用いれば, 約80%の患者の痛みを軽減できるといわれている. 進行・再発大腸癌の患者では, 経口摂取が困難となることが多いため, 経口摂取困難時の薬剤の投与経路の変更方法について述べる. また, 消化管閉塞に伴う症状は, 従来の薬物療法のみでは治療に難渋することが多いとされるが, ソマトスタチンアナログ製剤であるオクトレオチドが有効な場合がある. 「がん診療における緩和医療の意義」WHOによると, 「緩和医療とは, 生命にかかわる疾病に直面している患者と家族の痛みやその他の身体的, 心理社会的, スピリチュアルな問題を予防・評価・対応することによってQOLを向上させるアプローチである」と定義される1). がん患者は, その人らしく生きる過程を障害するさまざまな苦痛(全人的苦痛, 図1)をかかえている2).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。