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診断と治療(Epilepsy)
Precision medicine~遺伝子変異によるてんかんとその治療~
掲載誌
Epilepsy
Vol.16 No.2 25-31,
2022
著者名
石井敦士
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
精神疾患
/
神経疾患
/
小児疾患
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
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小児科
/
精神科
媒体
Epilepsy
2015年に米国オバマ元大統領が演説で使用して以来,“precision medicine”という言葉が盛んに用いられるようになった.こののち,米国では100万人規模の全ゲノム解析を推進し,巨大な遺伝子データベースをもとにprecision medicineを進めることとなった.特に,がん治療においてはprecision medicineが実現しており,米国では企業ベースで遺伝子診断から治療法の提案まで行われている.一方で,てんかんでのprecision medicineは,がん治療には及ばないが,同定された遺伝子に応じた抗てんかん薬(anti-epileptic drug:AED)の有効性と有害性が少ないながらも判明し,診療に取り入れられている.また,てんかんでは,遺伝子に応じた新規治療法の開発も行われており,近い将来,真のprecision medicineの実現が予想される.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。