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てんかん臨床の窓から

てんかんのある人の就労支援事業

渡部恵子

Epilepsy Vol.15 No.2, 42-44, 2021

てんかんのある人の就労支援は,公益社団法人日本てんかん協会(以下,てんかん協会)も重要課題としています.本人・家族が最も悩み苦しむ,人生の大切な節目だからです.筆者は鳥取県米子市で特定非営利活動法人あかり広場という,「障害者総合支援法」に基づく身体・知的・精神の3障害を対象とした多機能型就労継続支援(A型,B型)などの福祉サービス事業所を運営しています.障害のある人にはてんかんの合併率も高く,てんかん協会とも連携し,支部活動に参加しています.さまざまな生きづらさを抱える人たちが地域と共生し,働く場所として一般就労を目指す人,一時的な居場所,避難場所として時を待ち飛び立つ人,長期利用の人など,さまざまな方が当事業所を利用しています.開設当初から「障害のある人も働ける場所でありたい」という強い思いで,現在は,てんかんのある夫婦,聴覚障害のある方を雇用し,ともに学びあう日々をすごしています.
本稿では障害者の就労について,鳥取県,わが国の取り組み,当事業所で出会った心に残る事例も紹介しながら,筆者の考える福祉の役割とはなにかを述べさせていただきます.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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