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てんかん余話

日本における脳波計の歴史

白澤厚

Epilepsy Vol.14 No.2, 62-65, 2020

ヒトの脳波に関する研究は,1875年にCatonによるヒト脳波の一過性の電気活動の記録から始まり,その後,1929年のBergerによるヒト脳疾患で変化する脳波記録の報告から今日に至っている.
一方,脳波計の歴史は1930~1935年のあいだに欧州と米国で始まり,1932年にはドイツのTönniesが,1936年には米国のGrassが開発に成功している.米国においての歴史は,1935年にGibbsが,MIT(Massachusetts Institute of Technology)在籍中のGrassに1,000ドルの予算で3チャンネルの脳波アンプの製作を依頼したのがきっかけだといわれている.1935年の夏にドイツのBergerを訪問したGibbs夫妻は,その後の脳波計の心臓部となるMatthewsの開発した差動増幅器やTönnies社のインク書きレコーダーの技術情報をGrassに提供し,1935年の10月に3チャンネル脳波アンプが完成している.
その後Grassは,1936年Grass Model 1を発表し,1937年にはMGH(Massachusetts General Hospital)において2素子の脳波計が設置され,これが世界で最初の臨床脳波検査室だといわれている.その後1945年に,Grassは妻とともにGrass社を設立している1-3)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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