数理モデルとは時間の経過に従って変化する量を数学的に表す概念である.筆者らは数理科学を主な研究分野としており,京都大学てんかん・運動異常生理学講座との共同研究として,てんかんにおける脳波の特徴を数理的に解析し,数理モデルを提案している.本稿では,発作時に80Hz以上の高周波成分の振幅が増大する高周波振動現象に関する数理モデルを,可能な限り数式を用いずに,その一端を広い読者向けに紹介したい.「時系列埋め込み」を用いて発作期脳波データの一部を数理モデル化できたことを示す.時系列埋め込みの詳細については,多くの具体例とともに解説された『カオス時系列解析の基礎と応用』1)を参考図書として挙げておく.
てんかん最前線
①発作時脳波データの数理モデル化の試み
掲載誌
Epilepsy
Vol.14 No.1 27-31,
2020
著者名
行木孝夫
/
津田一郎
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
神経疾患
/
小児疾患
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
小児科
媒体
Epilepsy
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。