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目でみるてんかん

脳磁図ビッグデータと深層学習を用いた新しい診断法

栁澤琢史

Epilepsy Vol.13 No.2, 6-8, 2019

脳波・脳磁図はてんかん診療に欠かせないが,複雑な波形パターンからの判読は専門性が高い.特に近年,さまざまな信号解析が可能となり,高周波数帯の活動や,異なる周波数間の同期性1),脳領域間での機能的結合2)などの特徴が注目され,判読はより複雑になっている.しかし一方で,専門性の高さが検査の普及を妨げることもある.脳波計があっても,判読できないために,脳波検査を敬遠し,てんかんが見逃されることが懸念される.特に,高齢者の非痙攣性てんかん重積(nonconvulsive status epilepticus:NCSE)など,脳波検査を行わないために認知症などと誤診されてしまうリスクがある.脳波・脳磁図の自動判読技術により診断精度を上げ,検査としての普及を促すことが期待される.
近年,深層学習3)などの人工知能(AI)技術が発展し,特に画像識別において多くの医療応用が実現した4, 5).同様の技術を用いた脳波・脳磁図の自動判読技術も期待される.そこでわれわれは,大阪大学に蓄積されている大量で高品質な脳磁図を使い,東京大学原田研究室とわれわれが共同開発した深層学習(MNet)で機械学習を行い,てんかんなどの神経疾患を識別する精度を検証した6)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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