はじめに
脳腫瘍患者の診療では,しばしば,てんかん発作を経験する.脳腫瘍の30%以上にてんかんを合併するといわれ1),てんかん発作により脳腫瘍の診断に至る例も多い.日本脳神経外科学会の脳腫瘍全国集計調査報告では,初発症状がてんかん発作であった悪性脳腫瘍患者は18%にものぼるとされている2).
脳腫瘍は他の脳器質病変と比較して,てんかん発症のリスクはかなり高い(図1).てんかん有病率は人口の約1%といわれるが,脳腫瘍患者のてんかん発症の相対リスクは40倍にも達し,くも膜下出血の34倍や重症頭部外傷の29倍より際立って高い3).
脳腫瘍患者の診療では,しばしば,てんかん発作を経験する.脳腫瘍の30%以上にてんかんを合併するといわれ1),てんかん発作により脳腫瘍の診断に至る例も多い.日本脳神経外科学会の脳腫瘍全国集計調査報告では,初発症状がてんかん発作であった悪性脳腫瘍患者は18%にものぼるとされている2).
脳腫瘍は他の脳器質病変と比較して,てんかん発症のリスクはかなり高い(図1).てんかん有病率は人口の約1%といわれるが,脳腫瘍患者のてんかん発症の相対リスクは40倍にも達し,くも膜下出血の34倍や重症頭部外傷の29倍より際立って高い3).