診断と治療(Epilepsy)
発作性運動誘発性舞踏アテトーゼ
掲載誌
Epilepsy
Vol.9 No.1 29-33,
2015
著者名
加藤竹雄
/
粟屋智就
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
/
小児疾患
診療科目
神経内科
/
小児科
媒体
Epilepsy
「はじめに」発作性運動誘発性舞踏アテトーゼ(paroxysmal kinesigenic choreoathetosis;PKC)は突然の自発運動後に短時間の不随意運動が生じることを特徴とする発作性不随意運動の1つとして位置づけられている1,2).本疾患で起こる不随意運動は舞踏病アテトーゼだけでなく,ジストニアやバリスムスなども認められることから,近年では発作性運動誘発性ジスキネジア(paroxysmal kinesigenic dyskinesia,episodic kinesigenic dyskinesia)と呼ばれることのほうが多い.これまで本疾患の診断は主にその特徴的な臨床症状や抗けいれん薬の投与における治療反応性に委ねられてきたが,近年,本疾患の責任遺伝子としてPRRT2(proline-rich transmembrane protein 2)が同定された3)ことにより,遺伝子解析による診断が可能となった.本稿では2004年にBrunoら4)が提唱したPKCの臨床診断基準(表1)に沿ってPKCの臨床像を解説するとともに,新たに発見されたPRRT2遺伝子とその関連疾患について述べる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。