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Special Articles(Epilepsy)

2 EMUの整備と課題

池田昭夫松本理器國枝武治

Epilepsy Vol.9 No.1, 23-28, 2015

「はじめに」脳波はその誕生後80年以上を経たが,現在においてもてんかん原性の診断には欠かせない診断検査と位置づけられ,その有用性はデジタル脳波および頭蓋内記録など,ますます重要視されている.従来は詳細な病歴聴取と発作間欠期のルーチン脳波からてんかん症候群の診断がなされてきた.欧米で1970年代後半から導入された長時間ビデオ脳波モニタリングは,質の高い発作時脳波とビデオでの発作症候(semiology)の記録から,正確な発作分類とてんかん症候群分類を可能とした.このような長時間ビデオ脳波モニタリングを行う専用個室は,Epilepsy Monitoring Unit(EMU)と命名され,てんかん発作か非てんかん発作か,部分か全般発作かなど,診断の精度の向上や,難治てんかん患者の焦点同定によるてんかん外科の促進に大いに貢献してきた.本邦でも1990年代初めから,てんかんセンターを中心にEMUが設立され,てんかん診療・てんかん外科に貢献してきた.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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