診断(Epilepsy)
発作時DC電位(Ictal DC shifts): 発作時グリア活動の指標?
掲載誌
Epilepsy
Vol.6 No.1 27-33,
2012
著者名
金澤恭子
/
池田昭夫
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Epilepsy
「はじめに」 大脳皮質から発生する脳波活動は, 図1に示すように, 発作時DC電位のような緩徐な脳波活動に相当する直流成分と, 通常の脳波の増幅器で記録される交流成分(デルタ, シータ, アルファ, ベータ波)に大別される1). 1929年にHans Berger教授がヒトの脳波の頭皮上記録で臨床的に成功して以来, 脳波検査は, 特にてんかん発作との関連で, 1930年代に急速に臨床てんかんの領域で広がった. その結果, 1960年代までには臨床てんかん学における脳波検査の意義がほぼ確立し, 一般に以下の3点が挙げられる. (1)てんかん原性(epileptogenicity)という質的診断をもたらす. 大脳皮質の錐体細胞群の突発的過剰興奮を反映するspikes, sharp wavesは, 脳波によるてんかん原性の定義に相当する所見としてとらえられてきた. 外来脳波では発作間欠期てんかん性放電を記録することにより, irritabilityの評価が可能である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。