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てんかん臨床の窓から

後発医薬品と抗てんかん薬

三島信行

Epilepsy Vol.5 No.2, 48-51, 2011

1 後発医薬品の使用状況
 後発医薬品にかかわる医療保険制度の変遷は,2002年に後発医薬品を含む処方せん料に2点の加算がついたのが始まりです.2006年には,院外処方せんに「後発医薬品へ変更可」欄を設け,医師の署名を条件に,保険薬局が患者の同意のもと先発医薬品を後発医薬品に変更することを可能としました.

1 後発医薬品の使用状況(続き)

しかしこの「変更可」欄に署名された処方せんは2006年の調査では17.1%にすぎませんでした.2008年には「変更可」欄を「変更不可」欄と変更し,医師の署名がない処方せんの場合,患者の同意があれば先発医薬品を後発医薬品に替えることを可能としました.この処方せん様式の再変更により,後発医薬品へ変更可能な処方せんは17.1% から,2009年には68.5%へと大幅な増加がみられましたが,後発医薬品に変更された処方せんはともに約6%であり,後発医薬品への代替調剤は十分には普及していませんでした1,2)(図1).

 2010年には,「変更不可」欄に医師の署名がなければ,患者の同意のもとで,先発医薬品と含量違いの後発医薬品や同等性が確認されている範囲で類似した別剤形の後発医薬品に替えることも可能となりました.

2 先発医薬品と後発医薬品の生物学的同等性

 後発医薬品の製造承認申請に必要な資料は,品質規格に関する資料,安定性に関する資料,生物学的同等性に関する資料です.このうち,薬物の血中濃度を調べて先発医薬品と後発医薬品の臨床上の効果の同等性をみるのが生物学的同等性試験です.後発医薬品のCmaxおよびAUCの値は,先発医薬品に対して±20%の範囲であることとされ,同等性を統計的に評価するために,平均値の差の90%信頼区間がlog0.8~log1.25の範囲内にあることと規定されています3).実際には生物学的同等性試験の平均値の幅は,先発医薬品に対して±12~13%の範囲内に抑えないと同等とは判定されません.このことは,先発医薬品に対して後発医薬品のバイオアベイラビリティが±12~13%の範囲で許容されることになります.

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