ドライアイリサーチアワード受賞論文解説
慢性移植片対宿主病マウスモデルの眼瞼における血管とマイボーム腺の変化
Frontiers in Dry Eye Vol.19 No.2, 32-34, 2024
慢性移植片対宿主病(cGVHD)に関連するドライアイは,造血幹細胞移植後の患者の生活の質に最も影響を与える原因の1つである1)。臨床研究では,涙液蒸発型ドライアイの原因であるマイボーム腺機能不全(MGD)がcGVHD患者に発症することが示されているが,その病理学的メカニズムは依然として不明である2)。眼瞼には豊富な血管網が存在し,マイボーム腺(MG)の発達や構造の維持に必須であり,マイバムの脂質を形成するために酸素など必要な栄養素を供給しているが,cGVHD関連ドライアイにおける眼瞼の血管の変化は依然として不明な点が多い。本研究では,この課題を追究するために,cGVHDマウスモデルを用いて眼瞼の血管およびMGの病理学的変化を検討した。
「KEY WORDS」眼瞼血管,マイボーム腺,慢性移植片対宿主病,マイボーム腺機能不全,血管新生
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