患者様満足度講座
患者様の満足度を高めるためのドライアイ診療とは~ムンテラ編②~
Frontiers in Dry Eye Vol.10 No.1, 36-42, 2015
「はじめに」今やドライアイは大きな眼疾患カテゴリーを占めるに至り,眼科医のみならず世間にも広く認知されるようになった。ドライアイがあまりにもポピュラーな眼疾患となったため,患者の不定愁訴のみを根拠にドライアイと診断し人工涙液を短絡的に,そして漫然と処方しているケースがある。また,患者は自らの症状をドライアイと自己診断して来院することもある。ドライアイを主訴に来院した患者が本当にドライアイなのか,ドライアイであるならばどのタイプかは詳細な検査によってなされるが,ドライアイを疑うヒントは問診から多くが得られる。病態を解き明かした上での患者への的を射たムンテラは,治療効果,ひいては患者満足度を高めるだけでなく眼科医のドライアイ診療を楽しいものにしてくれる。当院の初診患者に占めるドライアイ患者の割合は約2割と大きい。ただでさえ診察時間を要する初診患者で,しかも不定愁訴の多いドライアイ患者の診察をいかに効率よく正確に進めていくかは,患者の待ち時間のストレスと医師の診療ストレスの軽減につながる。そのためには診察手順のルーチンワーク化が有効である。
「KEY WORDS」ドライアイ,問診,検査,診断,治療
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。