緒 言  上皮間葉転換(epithelial mesenchymal transition:EMT)は,1960~1980年代にElizabethらが眼上皮系などでマトリックスや細胞分化の研究をしてこの概念を提唱した。EMTの研究分野は線維化疾患だけでなく器官形成や癌の転移にも関与している。関連分野にはサイトカイン,関連転写因子,細胞外基質,基底膜,転移能,細胞極性,薬剤耐性など様々な分野がある1)2)。そのため,これらに関連する研究者が垣根を超えて研究を進めることが可能であり,今後のEMTの研究および疾患治療への展開が期待されている。