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ドライアイ基本講座
涙点プラグ入門 BUT短縮型ドライアイに対する涙点プラグの使用のコツと注意点
掲載誌
Frontiers in Dry Eye
Vol.5 No.1 34-38,
2010
著者名
山口 昌彦
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
神経疾患
/
眼疾患
診療科目
眼科
媒体
Frontiers in Dry Eye
「はじめに」ドライアイに対する涙点プラグの治療が保険適応となって十数年経つが, シェーグレン症候群に代表される涙液減少型ドライアイ(以下, 涙液減少型)には, 涙点プラグによる治療は非常に効果的である. 涙液分泌能がシルマーテストI法(無麻酔)で5mm以下と極端に低下し, 涙液メニスカスはpoorで, 角結膜上皮障害はほとんどフルスコアという症例においても, 上下涙点ともに涙点プラグを挿入すれば, 涙液メニスカスはrichになり, 角結膜上皮障害も劇的に改善し, 患者は痛みや視力障害から解放される(図1). 一方, 涙液減少型とは異なり, 涙液分泌能は保たれているにもかかわらず, BUT(tear film break up time, 涙液層破壊時間)が極端に短く測定され, 角結膜上皮障害はほとんどないにもかかわらず, 頑固な不定愁訴を有するドライアイに遭遇することがある. このような症例の特徴はBUT短縮のみであり, 通常のドライアイに対する点眼治療ではなかなか改善しないため, 日常臨床において我々眼科医を大いに悩ませる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。