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ドライアイリサーチアワード
受賞論文 解説 「シェーグレン症候群ドライアイ患者と非シェーグレン症候群ドライアイ患者における涙液蒸発率測定」
掲載誌
Frontiers in Dry Eye
Vol.4 No.2 40-45,
2009
著者名
後藤 英樹
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
膠原病・リウマチ性疾患疫
/
眼疾患
診療科目
眼科
媒体
Frontiers in Dry Eye
「背景および目的」LempによるNational Eye Instituteのドライアイレポートが報告されて以来1), 眼表面からの水分の喪失を示す涙液蒸発率測定は, 涙液の分泌量を示すシルマーテストとともに, ドライアイの病型分類のために重要な検査であると位置づけられている2). 涙液は瞬目により眼表面に広がり, 主に涙道に排泄され, 残りは空中に蒸発する. 涙液は油層・水層・ムチン層の3層構造をしており, ムチン層はゴブレット細胞から分泌され, 涙液水成分は涙腺から分泌され, 涙液油層はマイボーム腺から分泌される脂質から形成される. この涙液油層が涙液水層の上を覆って過剰な涙液蒸発を抑制している3)4). ドライアイにおいては, 涙液の総流量に対しての涙液蒸発の割合が正常者よりも増加していると考えられているため, 涙液蒸発の評価が重要であると考えられている5). ところが, 涙液分泌減少型ドライアイにおける涙液蒸発率の過去の研究結果は報告により一定していない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。