わが国のH.pylori感染率を出生年別にみると,1900年代生まれから1930年生まれまでのH.pylori感染率は約60%かそれ以上で推移している(図1)1)。しかし,これらの年代は高齢になってからH.pylori検査を受けており,胃粘膜の萎縮によるH.pyloriの自然消失が,見かけ上感染率を低く見積もっているものによるものであり,実際は,1908年生まれでは90%以上から1930年生まれで70%まで徐々に低下するような直線的な関数で示されると考えられる。