2019年の12月,中国の武漢において原因不明のウイルス肺炎が報告された。患者が出入りしていた海鮮市場において環境検体を回収したところ,33検体に新型コロナウイルスが認められ,うち31検体は野生動物を取り扱う市場からの検出であった。ウイルスはCOVID-19と命名され,ウイルスの起源は野生のコウモリに由来するものと考えられた。

以降,COVID-19は全世界に広がり,2020年7月29日時点で感染者数は1,600万人,死亡者数は65万人を超える事態となった。これは感染者数において結核を超え,死亡者数においてマラリアを超えたということであり,非常に大規模な流行といえる。