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CLINICAL CONFERENCE 症例から学ぶ上部消化器疾患

第30回 ヘリコバクター・ピロリ陰性,非薬剤性胃潰瘍の1例

石井 克憲笹井 貴子春間 賢川中 美和中村 純末廣 満彦谷川 朋弘浦田 矩代西野 謙佐藤 直嗣河本 博文

THE GI FOREFRONT Vol.15 No.2, 13-16, 2020

消化性潰瘍の多くは,ヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ)感染かNSAIDs(nonsteroidal anti-inflammatory drugs)などの薬剤に起因するが,最近,ピロリ陰性かつ薬剤の既往例のない消化性潰瘍が増加している。Helicobacter pylori-negative and NSAIDs-negative peptic ulcerあるいはidiopathic peptic ulcer(IPU)と呼ばれ1)2),ピロリ感染率の低下とともにその頻度の増加が指摘されている。その頻度は北米では消化性潰瘍のうち20~40%,国内でも10~30%と報告されている1)
IPUの臨床的特徴は出血を主訴とすることが多く,また,再出血や再発の頻度が高く3)4),発生部位は十二指腸に比べわが国では胃に多い5)。IPUに関する報告は多いが,ピロリ陽性潰瘍やNSAIDs潰瘍との臨床像を比較したものが大半で,意外と内視鏡所見を検討したものは少ない。今回,IPUの1例を経験したので,内視鏡像と臨床経過を提示するとともに,若干の考察を加え報告する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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