五島列島の北部,長崎県南松浦郡の新上五島町は2004年に5つの自治体が合併して生まれた町である。自治体のうちの1つ,上五島町では1996年より先駆的に内視鏡検診が導入されていたため,合併後は島全体で内視鏡検診が実施されることとなった。これにより,島で発症する胃癌のほとんどを1つの入院診療施設と診療所で掌握できる形となり,地域における胃癌検診およびH. pylori除菌について,長期スパンでの研究が可能となった。