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CLINICAL CONFERENCE 症例から学ぶ上部消化器疾患

第26回 胃検診で発見された胃MALTリンパ腫の1例

末廣満彦春間賢笹井貴子中村純岡好仁谷川朋弘浦田矩代河本博文眞部紀明鎌田智有物部泰昌

THE GI FOREFRONT Vol.13 No.2, 13-15, 2018

胃MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)は,Helicobacter pyloriH. pylori)感染と関連が深い疾患の1つで,治療の第一選択はH. pylori除菌治療である1)2)。衛生環境の改善など社会的因子の変化により,H. pylori感染率は世界各国で低下しつつあり,日本もその例外ではない3)。日々の内視鏡検査では,消化性潰瘍やH. pylori感染による萎縮性胃炎の頻度は低下し,炎症所見や萎縮のない,いわゆる“きれいな胃”や,H. pylori除菌後の胃粘膜を経験することが多くなっている。胃MALTリンパ腫はH. pylori感染関連疾患の1つであるが,疾患頻度は低い。最近,H. pylori感染率の低下とともに,胃MALTリンパ腫を経験することがさらに少なくなっていると思われるので,若い先生方への啓蒙の意味を兼ねてここに報告する。本症例は糖尿病や高脂血症などで近医へ通院しており,最近,基礎疾患で通院中の患者から進行した胃癌や大腸癌を経験する機会が増えているように思われるので,検診の重要性を理解する上でも示唆に富む症例である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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