CO2送気は小腸内視鏡や内視鏡的粘膜下層剥離術施行時には不可欠であるが,内視鏡的逆行性胆管膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)における位置づけは不明であった。空気送気は過剰なガスによって鮮明な撮像が妨げられる。一方,CO2送気はガス量が少なく,苦痛が軽減されるといわれるが,ERCP後は鎮静により患者は苦痛を感じないことが多いため,ガス量は苦痛軽減に直結しないのではないかと考え,80例を対象にCO2送気群と空気送気群を比較する無作為化比較試験(RCT)を実施した。