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特集1 H. pylori除菌後の諸問題

6 炎症性腸疾患の頻度を上げる可能性はあるのか?

中村正彦

THE GI FOREFRONT Vol.11 No.2, 37-39, 2015

Hp感染とIBDの関連については,Hp陽性者ではIBD罹患率が低いことは,成人,小児とも多くの検討からほぼ確定的であると考えられる。一方,Hp除菌後にIBDが増加するかどうかという点に関しては,症例報告は認められているが,その原因としてはHp排除が直接の誘因なのか,除菌療法に用いられた抗生剤の影響なのか,あるいはそれ以前からあったIBDが除菌により顕在化したのかという点について明確でなく,今後のさらなる検討が必要である。
「はじめに」Hp感染により,胃炎,胃十二指腸潰瘍,胃癌,胃マルトリンパ腫などに加え,特発性血小板減少性紫斑病などの自己免疫疾患が引き起こされることが知られている。一方,炎症性腸疾患(IBD)や喘息1)に関しては,Hp感染に関してはむしろ減少するとするものが多い。さらに,Hp除菌後早期に炎症性腸疾患が発生したとする報告も多数認められる。本稿では,Hp感染とIBDの関連について,除菌前と除菌後に分けて,その報告について考察したい。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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