特集1 H. pylori除菌後の諸問題
1 逆流性食道炎の頻度は増加しているのか?―世界の流れ―
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.11 No.2 18-21,
2016
著者名
木下 芳一
/
相見正史
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
消化器内科
/
老年科
媒体
THE GI FOREFRONT
逆流性食道炎を含むGERDはHelicobacter pylori(H. pylori)感染者の減少に伴う相対的な胃酸分泌増加,肥満者の増加,ストレスなどによる食道酸感受性の亢進などが原因となって増加してきた。欧米では増加は1970年代には明確となり2000年ごろまでは増加が続いていた。2000年ごろにはアメリカでのGERDの有病率は20%程度,ヨーロッパでは10%程度,中国を中心としたアジアでは5%程度であると報告されている。2000年以降の有病率の変化に関しては報告が多くはないが,アメリカ,イギリスでの有病率の増加にストップがかかっている可能性が報告されている。さらに中国,韓国を中心としたアジアでも2005年以降GERD有病率は横ばいの状態となったとする報告がある。今後の詳細な調査研究が必要であると考えられる。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。