<< 一覧に戻る

特集 バレット食道研究の最前線

5 バレット食道の成因

松﨑潤太郎鈴木秀和

THE GI FOREFRONT Vol.11 No.1, 27-29, 2015

バレット食道の臨床的な危険因子として,胃食道逆流症の症状があることに加えて,男性,加齢,喫煙,および中心性肥満が挙げられる。またHelicobacter pylori感染者はバレット食道が進展しづらい。また胃内容物の逆流成分のなかでも特に胆汁の逆流は,発がんとの関わりが深い。これらの情報は食道腺がん発症リスクの高い患者の効率的な拾い上げ,発がん予防となり得る生活習慣介入のあり方,および新規治療の開発に有用である。
「はじめに」わが国においても,今後増加が危惧される食道腺がんの発生母地であるバレット食道は,胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)の1つであり,当然のことながら胃食道逆流が主要因と考えられている。ここではバレット食道の成因について,胃食道逆流症の成因という観点も含めて,国内外から報告されている知見をまとめる。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る