GI-Metabolism Forum
第5回GI-Metabolism Forum 演題8 健常人と2型糖尿病患者における腸内細菌叢の相違
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.10 No.2 86,
2015
著者名
佐々木誠人
記事体裁
抄録
疾患領域
糖尿病
/
消化器
診療科目
一般内科
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循環器内科
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腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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老年科
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小児科
媒体
THE GI FOREFRONT
「腸内細菌と肥満や糖尿病との間に相関関係」最近,腸内細菌と肥満や糖尿病に関して,腸内細菌叢と血糖の間の相関関係や,体重の減少による腸内細菌叢の変化,TLR5ノックアウトマウスを用いた研究では腸内細菌自体が内臓脂肪や肥満に影響するのではないかということが報告されている。今回我々は健常人と2型糖尿病患者の腸内細菌叢の相違,また,糖尿病患者における腸内細菌叢と血中脂質代謝マーカーなどの関連について検討した。今回の検討の対象・方法は表の通りである。健常人と糖尿病患者の腸内細菌叢をみたところ,糖尿病患者ではlactobacillales目が多く,clostridium cluster XIVaが少ないという,過去に報告があるものと類似した結果が得られた。菌をfirmicutesとbacteroidesに絞って健常人と糖尿病患者の群を比較し,作成した判別式を用いると85.3%の的中率で糖尿病患者と健常人を判別することができた(図)。糖尿病患者の腸内細菌と血中マーカーをみると,空腹時血糖と関連するbacteroidesが関連することや肝機能とclostridium cluster XIVaが関連することが示され,腸内細菌と糖・脂質関連,そして代謝マーカーとの関連性が示唆された。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。