GI-Metabolism Forum
第5回GI-Metabolism Forum 演題6 5-アミノレブリン酸を用いたレーザー光線力学的内視鏡診断の有用性についての検討
THE GI FOREFRONT Vol.10 No.2, 84, 2014
「プロトポルフィリンIXががん組織に選択的に蓄積」アミノレブリン酸(aminolevulinic acid:ALA)は動植物の生体内に含まれる天然アミノ酸の一種であり,植物の生長促進作用,動物ヘモグロビンの原料となる。化粧品・健康食品分野,脳腫瘍・膀胱がんの診断など様々な分野で応用されている。脳腫瘍に関してはすでに診断用に保険適用されており,当院でも光線力学的診断(photodynamic diagnosis:PDD)を行っている。消化管早期がんの内視鏡診療では特殊光などを利用した拡大観察の有用性が確立しているが臨床現場で使用できる生体分子イメージング法や,より客観的な内視鏡診断法が望まれており,今回は消化管におけるALAを用いたPDDの有用性について検討した。PDDとは特定波長光を照射することによる光化学反応を利用した内視鏡診断の総称である。今回は5-ALAを用いたが,5-ALAは細胞内で代謝され,ミトコンドリアでプロトポルフィリンIXとなり,ABCG2などで細胞外に排出される(図1)。青紫光を当てると赤色蛍光を発光する性質をもつプロトポルフィリンIXががん組織に選択的に蓄積することで局在診断が可能となる。
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