GI-Metabolism Forum
第5回GI-Metabolism Forum 演題4 乳酸菌由来物質を用いた新規腸炎治療の開発研究
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.10 No.2 82,
2015
著者名
藤谷幹浩
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
診療科目
消化器内科
/
消化器外科
媒体
THE GI FOREFRONT
「長鎖ポリリン酸が慢性腸炎における炎症や線維化を改善」ヒト腸管には1000種類以上の腸内細菌が共生しており,腸内環境の恒常性を維持している。また,クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患患者では,腸内細菌叢の構成が健常人と大きく異なることが示されており,腸内細菌叢と病態との関連性が示唆されているが,その因果関係については明確にされていない。我々はバシラス菌由来のcompetence and sporulation factorに腸管保護作用があることを明らかにした。さらに,腸炎モデルを用いて,この菌由来物質の抗炎症作用およびその作用機序を解明した。その後,麦芽乳酸菌SBL8803が産生する長鎖ポリリン酸に腸管バリア機能を増強するなどの腸管保護作用があることを明らかにした。本研究では,長鎖ポリリン酸の腸炎モデルに対する作用およびそのメカニズムについて検討する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。