TAKEDA GI FORUM 2014 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドラインを再考する
酸逆流と食道内酸クリアランス
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.10 No.1 75-76,
2014
著者名
岩切勝彦
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
診療科目
一般内科
/
消化器内科
/
耳鼻咽喉科
/
老年科
/
小児科
媒体
THE GI FOREFRONT
「胃酸逆流のメカニズム」胃酸逆流は下部食道括約筋(lower esophageal sphincter:LES)圧が低値の状態で発生する。LES圧が低値な状態とは,LESが弛緩している場合と,LES圧が元来低値の場合である。嚥下時にはLES弛緩が起こるが,LES弛緩時の胃酸逆流の95%以上は嚥下を伴わないLES弛緩時に発生し,これを一過性LES弛緩(transient lower esophageal sphincter relaxation:TLESR)という。TLESRは「げっぷ」のメカニズムであり,誰にでも起こり得る生理的なものである。TLESRにより空気と胃酸が逆流する場合と,空気のみが逆流する場合があり,必ずしも酸逆流を伴うわけではない。TLESRは食後の胃底部の伸展刺激や,脂肪摂取によって十二指腸から分泌されるコレシストキニン(CCK)刺激により誘発される。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。