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TOPICS OF GI 消化器疾患のトピックス

第19回 Roux-en-Y再建術後症例に対するバルーン内視鏡を用いた胆道内視鏡治療

良沢昭銘

THE GI FOREFRONT Vol.10 No.1, 69-73, 2014

「はじめに」近年, 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography: ERCP)は胆道系疾患に対する診断・治療に不可欠なモダリティーの1つとなっている. 通常, その成功率は90%以上とされているが, 術後再建症例に対するERCPは難易度が高い. 特にRoux-en-Y再建術後症例では, 十二指腸乳頭部に到達するまでに, 腸管の距離が長くたわみやすい上, 腸管吻合部における急峻な分岐角や術後癒着の影響などにより, 通常の十二指腸内視鏡による挿入は困難である. このため, 細径大腸内視鏡1)-3)を用いた試みもなされてきたが, これらの報告は術者の技量と熱意によるところが大きく, 多くの施設ではRoux-en-Y再建術後症例に対するERCPは非現実的なものとされてきた. しかし, ダブルバルーン内視鏡の登場4)により, Roux-en-Y再建術後症例に対するERCPは一気に現実的なものとなった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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