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特集 わが国のNSAIDs起因性消化管傷害

臨床からみた疫学

加藤元嗣小野尚子間部克裕大野正芳松本美櫻大森沙織高橋正和吉田武史清水勇一坂本直哉中川学中川宗一

THE GI FOREFRONT Vol.10 No.1, 12-15, 2014

NSAIDsはCOX-1を介する間接的傷害と直接的な傷害機序により全消化管に様々な傷害を引き起こす. NSAIDs使用者では, 上部消化管出血の頻度は約1%, 胃潰瘍の頻度は約15%, 十二指腸潰瘍の頻度は約5%, 胃・十二指腸びらんは約50%と報告されている. これらの形態的変化以外にも約30%にディスペプシアが認められる. また, 最近では小腸・大腸でのNSAIDs関連潰瘍・びらんにも注目が集まっている. 「はじめに」H.pyloriと非ステロイド系抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs: NSAIDs)は, 胃・十二指腸潰瘍の互いに独立した2大成因である. NSAIDsはCOX-1阻害による間接的な機序と局所で作用する直接的な機序によって消化管粘膜傷害を引き起こす. さらに, 粘膜治癒にはCOX-2の誘導が必要であり, NSAIDsはCOX-2も同時に阻害するために潰瘍治癒も阻害する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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