CLINICAL CONFERENCE 症例から学ぶ上部消化器疾患
第19回 検診で発見され,内視鏡的切除を行った胃脂肪腫の1例
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.10 No.1 5-9,
2014
著者名
石井学
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春間 賢
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村尾高久
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鎌田 智有
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塩谷昭子
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河合良介
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眞部 紀明
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畠二郎
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秋山隆
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佐藤元紀
記事体裁
症例
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抄録
疾患領域
消化器
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癌
診療科目
消化器内科
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手術・救急
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放射線科
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消化器外科
媒体
THE GI FOREFRONT
胃の脂肪腫は比較的頻度が高い粘膜下腫瘍で, 大半は小さく, 経過観察となることが多い. 今回, 胃がん検診の目的で施行された胃X線検査で発見され, 内視鏡的に切除した胃腺腫を経験したので, 若干の考察を加え報告する. 「症例」50歳代, 女性 主訴: なし 現病歴: 5年ぶりに受けた20XX年人間ドックの上部消化管造影検査で胃に異常を指摘され, 精査目的にて当科を受診した. 既往歴: 糖尿病(内服加療) 嗜好歴: 機会飲酒程度, 喫煙なし 現症: 身長156.7cm, 体重51kg. 心肺音異常なし. 腹部: 平坦・軟, 圧痛なし. 腫瘤触知せず. 末梢血, 血液生化学検査, 異常なし. 「画像所見」胃X線所見(図1): 胃角部大彎に平滑な半球形隆起を認める. 表面には潰瘍形成は認めず, くびれのある病変である(図1A). 大きさは34×22mmで, 周囲粘膜には異常を認めない(図1B). 圧迫にて形態は変化し, 柔らかい病変である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。