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LECTURES FOR YOUNG AUTHORS

若手研究者のための論文の書き方講座 第12回

木下芳一

THE GI FOREFRONT Vol.9 No.2, 90-92, 2014

「はじめに」論文の書き方を解説するにあたって, 今までに書いてきた英文論文を見返してみた. そしていちばん最初に書いた論文が症例報告であることを改めて確認した. 「医学の研究はすべて患者さんの診療から始まり患者さんの診療に還元して終わる. 一人ひとりの患者さんの診療をきっちり行い, 新しい発見があればそれを書き残しておくことが重要だ. 症例報告の重要性もそこにある. 」という言葉は研修医のころから繰り返し教えられてきたように思う. 英文論文の書き方として研究するべき問題点の見い出し方, 研究のデザインの仕方, データの解析と解釈の仕方, 研究の成績が示すことができる事実の限界の見極め方, などの英文論文作成の基本テクニックなどに関してはすでに多くの先生方が解説しておられるので, 私は基本に立ち返って英文症例報告の書き方について解説をしてみたいと思う. 「口は大きく開けて待つ」外来診療を行っていても入院診療を行っていても, 興味があり得意とする疾患の患者さんを担当することを嫌がる医師はいない.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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