特集 胃炎に除菌の適応拡大が通ったあとの胃癌撲滅計画―第18回JAPANGAST Study Groupハイライト―
わが国から胃癌関連死を撲滅するためのロードマップ
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.9 No.2 34-36,
2014
著者名
浅香 正博
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
感染症
/
癌
診療科目
一般内科
/
消化器内科
/
腫瘍内科
/
老年科
/
小児科
/
消化器外科
媒体
THE GI FOREFRONT
2013年2月から日本ではピロリ(H.pylori)菌の除菌がH.pylori感染胃炎にも保険で行われるようになった. これを積極的に利用して胃癌関連死を撲滅する戦略を計画する必要がある. H.pylori感染胃炎であるかどうかを医療機関でチェックし, H.pylori陽性なら除菌を行い, その後も定期的なサーベイランスを行う方法である. これが実現できると, 10~20年後の日本からは胃癌で亡くなる人は激減していくと考えられる. 「はじめに」2008年, 日本で行われた多施設無作為臨床試験により, H.pylori除菌が早期胃癌患者EMR(Endoscopic mucosal resection: 内視鏡的粘膜切除術)後の二次胃癌の発生を約1/3に抑制することが明らかになり1), 胃癌予防におけるH.pylori除菌の有用性が証明された. しかしながら除菌により胃癌発生は減少するものの完璧に抑制できないことも同時に明らかとなった.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。