特集 胃炎に除菌の適応拡大が通ったあとの胃癌撲滅計画―第18回JAPANGAST Study Groupハイライト―
除菌をどのように行うか?(三次除菌,パック製剤の有用性も含めて)
THE GI FOREFRONT Vol.9 No.2, 28-30, 2014
2013年にピロリ菌感染胃炎が保険適用となり, 今後除菌治療の対象が飛躍的に多くなると予想される. 現在, 一次・二次除菌が保険適用となっているが, 一次除菌治療の除菌率の低下が指摘されている. H.pylori感染症も他の細菌感染症と同様に, 抗菌薬感受性が除菌率を左右することが知られている. ここでは, 除菌治療に用いられる抗菌薬の耐性の現状とその対策, さらに有用な三次除菌レジメについて述べさせていただく. 「1 一次除菌とクラリスロマイシン耐性」図1に現在の保険適用の除菌法を示す. 一次除菌(PPI/AC療法)はプロトンポンプ阻害薬(Proton pump inhibitor)+アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM)を1週間投与する3剤併用療法であり, 2000年11月に認可された. PPI/AC療法による除菌失敗の原因として最も大きいのは薬剤耐性である1). 特にCAM耐性菌感染例ではPPI/AC療法の除菌率は低いことが知られ, およそ20~30%であると考えられる2).
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