【特集 膵がんの予防について考える】
原因についてこれまでどこまで明らかになったのか
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.9 No.1 12-15,
2013
著者名
小林正伸
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
THE GI FOREFRONT
膵がんの発症リスク要因としては, 膵がんの家族歴, 肥満, 喫煙, 糖尿病, 膵炎の既往, ABO式血液型が主なものとして挙げられている. 膵がんの発症過程は, 膵管上皮内腫瘍病変であるPanIN(Pancreatic Intraepithelial Neoplasia)から浸潤性の膵がんに進展するモデルが提唱され, 初期遺伝子異常としてK-ras変異, 16/INK4Aの不活性化, 後期遺伝子異常としてp53, SMAD4/DPC-4の不活化が関与している. 「はじめに」膵がんの死亡数は2009年度14,094例と, 肺がん, 胃がん, 大腸がん, 肝がんに次いで第5位となっている. 膵がんの5年生存率は6%以下と極端に低く, 圧倒的に予後の悪いがんである. 一方, 罹患数は激増しており, ここ30年間で約4倍に増加している(1975年6,075例, 2005年24,799例). 現段階では膵がんに対する予防や治療に効果的な方法はなく, 有効な診断治療法の開発が求められている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。