GI-Metabolism Forum
第3回GI-Metabolism Forum 第二部 演題6 VacAは小胞体ストレスを介して胃上皮細胞にアポトーシスを誘導する
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.8 No.2 86-87,
2012
著者名
赤澤祐子
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
THE GI FOREFRONT
「VacAは胃上皮細胞にapoptosisを誘導」 VacAはH.pyloriにより産生される空胞化毒素であり, 同菌の病原因子の1つである. VacAの胃粘膜傷害機構として, VacAによる胃上皮細胞のapoptosisがある. われわれはこれまでVacAがapoptosisを誘導する経路について検討してきた. 小胞体(ER)stressは正常なfoldingを受けないタンパクがERに蓄積し, 細胞へのstressが生じる状態で, ER stressはさまざまな慢性炎症疾患における細胞傷害に寄与しているが, H.pylori感染との関与はこれまで明らかにされていない. ERに負荷がかかるとER内での正常なタンパク質のfoldingが行われなくなり, PERK, ATF-6, IRE-1という3つのER stressセンサーからGRP-78がはずれ, 下流のpathwayが活性化される. これらのシグナルは細胞への負担を回避すべく働くが, このstressが許容量を超えると転写因子CHOP発現を介し, 細胞apoptosisを誘導する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。