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特集 わが国から胃癌を撲滅するための新しい試み―第17回JAPANGAST Study Groupハイライト―

Workshop 若年者除菌による胃癌予防の試み c)長野県飯島町における新しい試み

堀内朗

THE GI FOREFRONT Vol.8 No.2, 30-32, 2012

長野県飯島町では, H.pylori(Hp)感染症の除菌治療が胃癌死亡率および医療費にどのように影響するかを検討するため, 胃癌撲滅キャンペーンと称して2007年から飯島町民を対象に町の保健事業の1つとして感染検査を広く実施し, 陽性者には除菌を勧めている. その事業の中で2009年より毎年8月15日の飯島町の成人式で尿素呼気試験を施行し, Hp感染者に対して20歳の時点で除菌を実施しているので報告する. 「1 長野県飯島町の背景」 昭和伊南総合病院は, 長野県南部地域(南信)に位置する駒ヶ根市, 飯島町と周辺地域の6万人を対象にした自治体病院として駒ヶ根市に設立され, 2012年3月までの30年間は救命救急センターを有する中核病院として機能してきた. 当院の設立母体の1つである飯島町は, 南アルプスと中央アルプスの美しい峰々に囲まれた静かな田舎町である. しかし, 長年の塩分の多い食習慣やHp感染率の高さもあり, 高血圧や脳血管障害と並んで胃癌の発生が多かった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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