【特集 わが国のGERDにおける諸問題】
わが国のGERD治療の基本(薬物療法の面から)
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.8 No.1 30-32,
2012
著者名
大原秀一
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
THE GI FOREFRONT
胃食道逆流症(GERD)は胃内容物の逆流により臨床症状や合併症を生じた病態の総称であり, 器質的障害の代表は逆流性食道炎である. また, 胸やけに代表される症状以外に種々の食道外症状がみられる場合がある. GERDの治療は本来は逆流に対する治療が望ましいが, 現在逆流に有効な薬物はなく, 酸分泌抑制剤が薬物療法の中心であり, PPIが第1選択の薬剤である. 「はじめに」GERDとは, 胃内容物の逆流により臨床症状や合併症を生じた病態の総称であり, 一般的には酸性の胃内容物の逆流が原因であるが, やや特殊なものとして胃切除後の腸液(アルカリ)逆流による術後逆流性食道炎もある. また, 近年では中性または弱酸性の胃液や気体逆流が症状発現に関与するとの報告もある. 薬物療法の観点からみると, 現在国内ではGERDという適応病名はなく, GERDの代表的器質的傷害である逆流性食道炎が適応病名となっていることもあるため, 本稿では酸逆流による逆流性食道炎の薬物療法を中心に述べる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。