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特集 わが国のGERDにおける諸問題

わが国のGERDにおいて最も重要な因子は何か?

栗林志行保坂浩子川田晃世下山康之河村修草野元康

THE GI FOREFRONT Vol.8 No.1, 16-19, 2012

健常人でも胃食道逆流症患者でも, 胃食道逆流の主なメカニズムは一過性下部食道括約部弛緩(transient lower esophageal sphincter relaxation: TLESR)である. TLESRは胃の伸展刺激により生じ, 主に食後に発生して臥位や睡眠時には頻度が減少する. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome: OSAS)では閉塞性無呼吸イベントの際に食道内の陰圧が増大するため, 胃食道逆流が睡眠中に生じると推測されていたが, 下部食道括約部圧は食道内の陰圧増大に応じて上昇して逆流を防いでおり, OSAS患者でもTLESRが夜間に生じる胃食道逆流の主要なメカニズムである. 「はじめに」近年, わが国でも胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease: GERD)の罹患率が増加している.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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