【特集 わが国のGERDにおける諸問題】
わが国のGERD患者は本当に増加しているのか?
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.8 No.1 13-15,
2012
著者名
木下 芳一
/
古田賢司
/
足立経一
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
THE GI FOREFRONT
GERDの有病率や発症率を検討することは容易なことではない. 現在までに報告されているGERDの有病率に関する報告は, 対象とした集団, GERDの定義, 診断方法に統一性がなく, さまざまなバイアスの影響下にある. このため, 異なった個々の報告の数値データをそのまま単純に比較することは難しい. さらに, 同一集団を経時的に追いかけたコホート研究では, 研究間で結果が一致していない. このため, わが国でGERD患者が本当に増加しているか否かはエビデンスに基づくとよくわからないという結論になる. ただ, 十分なデータはないが印象としては随分増加しているように感じる. 「はじめに」わが国においては, Helicobacter pylori(Hp)感染者の急速な減少と食生活の欧米化に伴って, 胃酸分泌が亢進していることが証明されている1). また, 男性を中心に肥満者が増加し, 胃食道酸逆流が起こりやすくなっている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。