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MESSAGE FROM EDITOR エディターズ・メッセージ(THE GI FOREFRONT)

第14回 「考える」ということについて最近思うこと

三輪洋人

THE GI FOREFRONT Vol.7 No.2, 102-104, 2012

最近海外へ旅行したとき, 空港の航空会社のラウンジで一人の白人を見た. アメリカ人であろうか. 大柄で筋骨隆々, 2メートル近くあろうかという大きな, そして精悍な感じのマスクの青年であった. 何かのプロスポーツ選手であってもおかしくないような雰囲気を漂わせていたが, ネクタイをしてスーツを着ていることから, 一見ビジネスマンとわかった. 普段なら「外人ってでかいなぁ」で終わってしまうところだが, この日に限っていつもと違う感覚が頭の中をよぎった. 大男の彼が小さなラップトップコンピューターに向かって一心不乱に仕事をしていたからである. 「この人ってこんなすばらしい体をしているのに, それって仕事に有利にならないんだ・・・・」という変な疑問である. 狩猟の腕がすべてを決める原始時代や, 格闘の強いものが勝つ時代ならすごいスターだったに違いないと思った. こんなにすばらしい肉体をもっているのに, この肉体は現代の世の中で糧を得るためにどれほど役に立つのだろうか? コンピューターに向かっている彼の仕事の土俵は肉体ではなく計算であり, 文章であり, 表現力であり, 洞察力であり, 判断力であるのだ.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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