特集 肝炎・肝癌との比較で胃炎・胃癌対策を考える―第16回JAPANGAST Study Groupハイライト―
Workshop「肝炎・肝癌との比較で胃炎・胃癌対策を考える」 肝癌対策を見据えた胃癌撲滅計画の提案
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.7 No.2 38-43,
2012
著者名
加藤 元嗣
/
浅香 正博
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
THE GI FOREFRONT
胃癌はH. pylori感染症が原因で発症する癌であり, 感染症由来の癌という点からは, 肝癌と同様である. 感染症由来の癌は予防できる癌であり, H. pylori除菌による一次予防とその後の画像スクリーニングによる二次予防を組み合わせることで大半の胃癌は予防可能である. 「はじめに」胃癌, 肝癌, 子宮頸癌は感染症が原因であり, 感染のコントロールによって予防が可能な癌である. わが国では肝炎・肝癌対策として, 一次予防策にB型, C型ウイルスの駆除, 二次予防策に専門病院での画像検査を中心としたフォローが行われており, 肝癌死亡数の減少という効果が現れている. 一方, 胃癌に関しては長らくX線検診による二次予防対策が行われてきたが, わが国の胃癌死亡数および発症数は今も増加している状況である. 現在の胃癌予防策の成果は上がっていないといえる. H. pylori感染は胃発癌と最も強く関連する因子である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。