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特集 肝炎・肝癌との比較で胃炎・胃癌対策を考える―第16回JAPANGAST Study Groupハイライト―

State of the Art Lecture エピジェネティックな視点からの除菌後胃癌とその予防

牛島俊和

THE GI FOREFRONT Vol.7 No.2, 12-18, 2012

H. pylori感染はDNAメチル化異常を誘発し, 異常が胃粘膜に蓄積することで発癌の素地が形成される. 臨床的な“point of no return”も説明可能で, 素地の程度を測定することで発癌リスク診断も可能である. DNAメチル化異常の誘発には特定のタイプの炎症が重要であり, 異常誘発の抑制が胃癌予防に有効であることも分かってきている. 今後は, 副作用リスクの少ない脱メチル化剤の開発や適応症例の絞り込みにより, DNAメチル化異常抑制という戦略の除菌後胃癌予防への応用を検討していく必要がある. 「はじめに」胃癌はDNAメチル化異常の関与が深い癌である. しかし, その原因はつい最近まで不明であった1). 最近, H. pylori感染がDNAメチル化異常誘発の原因であることが証明され, その謎が解明された感がある. この知見は発癌リスク診断に応用され, 胃癌予防への応用可能性も示されている. 本稿ではこれらの知見を紹介し, 除菌後胃癌の予防を考えてみる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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