骨格筋は体重の40%近くを占める人体最大の臓器であり,全身のタンパク質量の50%を含有しているとされている。運動の際の運動器としての役割だけでなく,糖代謝や脂質代謝にかかわり,また近年には生理活性物質(マイオカイン)を分泌する分泌臓器という側面も判明してきている。そのため,骨格筋量減少はその人の運動能力を低下させるだけでなく,高血圧,脂質異常症,高血糖などの生活習慣病のリスクや,筋力低下による転倒の危険性(骨折)を増加させ,また,疾病やケガに伴う組織の修復に必要なアミノ酸供給源の減少など,生活の質(QOL)を妨げるさまざまな障害のリスクを増加させる。
「KEY WORDS」サルコペニア,骨格筋,レジスタンス運動,有酸素運動