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特集 脂肪肝へのアプローチ:メタボリックシンドロームとアンチエイジングの要

NAFLD/NASHを予防・改善する食事のエビデンス

栁沼礼子池嶋健一

アンチ・エイジング医学 Vol.17 No.2, 24-31, 2021

今日の日本では,古来の和食文化に加えて欧米やアジアなど世界の食文化が浸透し,さまざまな食事様式を楽しむことが可能である。その一方で,ストレスや生活リズムの乱れなどから低繊維質・高カロリー食の過剰摂取に加えて,運動不足や長時間の座位による身体活動の低下も相まって,肥満・2型糖尿病(diabetes mellitus;DM)・脂質代謝異常・高血圧などの代謝性障害が重複してみられるインスリン抵抗性(insulin resistance;IR)を病態基盤としたメタボリックシンドローム(metabolic syndrome;MS)が増加している。肝臓は代謝における要の臓器としてMSとの関連が深く,非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease;NAFLD),なかでも進行性の肝病態を呈する非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis;NASH)が注目されている1)。本稿では,NAFLD/NASHを予防・改善するために欠かせない食事療法についてのエビデンスを紹介し,その重要性について概説する。
「KEY WORDS」非アルコール性脂肪性肝疾患/非アルコール性脂肪肝炎(NAFLD/NASH),インスリン抵抗性,低カロリー食,地中海食,和食

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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